BACKGROUND

 

同じ学校にいるのに作品を知らない

金沢美大では、多くの学生が日々、作品制作に打ち込んでいます。ところが、友人や知り合いの普段の作品や活動を見る機会は実際とても少なく、ましてや話したことのない学生の作品を知る機会はほとんどありませんでした。これに疑問を感じ、解決方法を考えていたころ、金沢の街のお店屋さんからも、「学生がどんな面白いことをしているのかとても興味があるけれど、知る機会があまりない」という声を耳にしました。そこで、大学生である自分と街の人が、同じ問題を持っていることに気づき、自分の大学の範囲内だけにとどめるべきではないと考えました。「もっといろんな人の作品を知りたい、いろんな人とつながりたい」という素直な想いから、このプロジェクトはスタートしました。

つまり、いろいろな学生を、まとめてたくさん知ることのできる気軽な場所がないという問題に行きつきました。原因は、様々なことが挙がりましたが、作品公開の仕組みに最も大きな問題があると考えました。


美大生の主な2つの作品公開の現状を分析

SNS

メリット

・気軽で、公開しやすい

・いつでもアクセスできる

デメリット

・人によって使っているサービスがバラバラで、フォローしていないと作品を知ることができない

展示

メリット

・何よりも本物を見れる

・会場で作者と話したりすることで考えを深めやすい

デメリット

・一定期間しか公開できない

・作者の作品の一部を見ているに過ぎない


問題の解決方法

分析を踏まえ、考えた最善の方法が、ウェブサイトを利用したポートフォリオ作りでした。本物の作品を見ることができる展示会などの公開方法に比べると作品鑑賞の質は劣りますが、その前の段階である、展示会に足を運ぶきっかけとなるような気軽なアーカイヴが必要なのではないかと思いました。TANGENTは現存の方法があったうえで、その機能をより高めるためのサービスです。そのため、単独のウェブサイトの弱みでもある拡散力の面では他のSNSも利用していろいろな人に見てもらえるようにしていきます。 そして、もし作品を見て気になる人を見つけた時には、その人と直接つながり、「本物」を見せてもらったり、さらにはコラボレーションをしたり、といった動きが生まれることが本当の目的です。


project member

produce : 杉山 知里

direction,design : 山田 竜也


金沢美大生の現状を背景に、金沢美大生が始めたこのプロジェクトですが、金沢美大の中だけで終わらせず、金沢という街の単位までズームアウトしようと考えました。それは、金沢の街の人や他の大学の学生からも”学生の様子を知りたいのに知る機会があまりない”という声を聞いたからです。また、学生だけでなく、地域ともつながりを持つことができれば、さらに面白みが増すだろうと感じました。学生にはできないけれど街の人にはできることや、逆に街の人にはできないけれど学生にはできることがきっとあります。そういったものを補い合えるパートナーを探す場所としても使っていただきたいと思っています。

そして、「このサイトを見れば金沢の今が分かる」。いずれはそんな場所にしていけたら、という願いのもと、まずは私たちの手の届く範囲から始めていきます。